『いい時代になったなぁ』とよく聞きますが、個人的には「そうかなぁ」という疑問が絶えません。
その辺のことを掘り下げていきたいと思います。
昔の開発現場はそれはそれは大変だったものじゃよ
昔の開発現場を知ってる方からかつての働き方を聴くと、夜中の3時に会議が始まったり、終電で帰ってシャワーだけ浴びて仮眠取ったら即出社!みたいなエピソードを語られることが多いなぁと感じます。
大体そういうエピソードには眠りたくても眠らせてもらえなくて、判断力が鈍ったゆえのぶっ飛んだストーリーもおまけでついてくるので、聞いてる方としてはちょっと面白かったりするのですが。(社会勉強的な意味で)
おまけエピソードの内容としては上長のストレス発散によるパワハラセクハラアルハラの嵐だったりして、当事者は過酷以外の何物でもないなぁと聞きながら同情するものです。
そう思えば今の時代はいい方ですよね。
定時で帰らせてもらえて、残業代も支払ってもらえて、飲み会も不参加で問題なくて、怒られると落ち込んで辞めちゃう子が増えたから褒めて伸ばしてもらえるような教育制度が設けられたりして、ほんといい時代ですよね。
と、言いたいところですが、そんなに今の時代がよいとは思えません。
そもそも定時で帰れるのも、残業したら残業代が支払われるのも当然の権利です。
当たり前の話です。
それをさも昔より良くなっただの比較してどうするんですか。
マイナスからゼロになったくらいでガタガタ騒がないでほしいもんです。
それに働き方が豊かになったからと言って働く人の中身が豊かになったわけではないんですから、昔と変わらぬ伝統のキリキリと胃が痛むようなストレスは当たり前に存在するんですよ。
私的には残業させてくれないのは逆にしんどい
残業時間を減らすことを目標に掲げてる企業では『ノー残業デー』というものが存在しているかと思いますが、これってわざわざ設けないといけないものでしょうか。
融通が利かないというかなんというか、こういうのを設けてしまうと帰らない人を糾弾してしまう文化が生まれてしまったりするんですよねぇ。。
『仕事があって帰れない人以外は定時退勤を推奨します。』ってだけならまだしも、『帰らない人を村八分に追い込みます。』じゃダメじゃないですか。
かくいう私もその文化に直面してノー残業デーには毎度焦りを感じていました。
退勤時間ぴったりに帰らないと周囲が帰るのを待ってたりするんですよね。
それで「帰らないの?今日ノー残業デーだよ?どうしたの?それ今日中にやらなきゃいけない仕事じゃないよね?違うの?みんなは帰る準備できてるんだからあなたも一緒に帰らないとダメじゃない?」という遠回しな目線とか言葉に申し訳なく思いながら、「抱えてる案件が全然違うんだから帰れるタイミングそろえるなんて無茶言うなよ!!」と内心思っていました。
『ノー残業デー』を設けてもいいけど、帰らない人、帰れない人はほっといてあげてください。
残業代欲しさに残ってる人に言うならわかります。
「明日も出来るよね?(にっこり)」でよいと思います。
ただ、納期今週末なんです。
案件の内容も進捗もろくに把握してないあなたにはわからないかもしれませんが、割とスケジュールカツカツなんです。
他のメンバーに対応任せてたら確実に間に合わないんです。
私だって帰りたい、仕事ふって帰りたい、ただ目の前の仕事量と定時時間の兼ね合いが取れないから仕方なく残業してるんです。
そんな状況でも帰らないとダメってどうなのよ。。。
しかもこういう状況の現場の話、割と最近聞くんですよね。
残業させてもらえないから、現場が炎上してるとか、時間内に終わらせないといけないからお昼取れないとか、本末転倒じゃんかよ。
残業しないと嫌味言われる社会から、残業すると嫌味言われる社会になっただけじゃん。
嫌味言ってる暇があるなら手伝ってよ、とほほ。
あとやたら褒めてくるのもプチブラックな気がする
最近じゃ『ほめ方・しかり方講座』なんてのもやってるみたいですがちょっと違うんじゃないかと思います。
褒めてやらなくても伸びるやつは勝手に伸びます。
じゃあ伸びないやつはやっぱり褒めてあげないといけないんじゃないの?と思うかもしれませんがそうではありません。
今までより小さい単位でマネジメントしてあげればいいだけです。
というか、褒めないから頑張ってくれないのではなく、いろんな面で放置されてるからやる気が出ないだけではないでしょうか。
「まだよくわからないけど頑張ってるのに怒られる(ノД`)・゜・。」みたいな。
昔より怒鳴る人は減ったかもしれませんが、新人や部下が放置されている状況は変わってないように感じますし、そんな状況で褒められても何に対して褒められているのかよくわかりません。
つまり誉め言葉が嘘くさくなります。
放置されてやる気が出ないと感じてる人のやる気を出すためには褒めるのではなく、自分が会社の歯車として機能している実感が必要だと思います。
新人に雑務をふる場合も、「君はまだそんなに仕事ができないから雑用として頑張って、あとは適当に時間つぶして」というメッセージで育てるのではなく、「君がこれから仕事を覚えるうえでどういうときにどんな雑用がふられるのか仕事の流れを意識しながら仕事をしてほしい、周りをゆっくり見ることが出来るのは今だけなんだから」ってメッセージを送りながら育てたらいいだけです。
褒めなくてもニョキニョキ育つ人はその辺の考え方や自分のメンタルのマネジメントを勝手に出来るやつってだけなんですから、その辺をカバーしてやればいいだけなんです。
あと笑顔で感謝の言葉を添えれば「きちんと君は役に立っている」というメッセージが発信できますから、もうこれで大体のことはなんとかなると思います。
話が全く通じない系の仕事の適性そのものに問題があるタイプはそもそも褒める褒めないの次元の話ではないので今の話は聞かなかったことにしてください。
褒めてるのにうまくいかないって人は、マネジメントの部分に力を入れてみてもよいと思います。
あと職場の人に関わりたくない現代っ子からしたら褒める教育ってのは少しうっとうしいんじゃないかと思います(笑)
今回のまとめ
今までの働き方が現代社会に合っていないから変えたというのは良いことだとは思います。
ただ今までの悪い所を逆にしたらよいことになるかと言えばそういうものではありませんよね。
帰れない日があったっていいんです。
褒めてくれなくたっていいんです。
現代に合った働き方や人の育て方というものを、より最適化出来たらもっとずっと働きやすくなるのになぁという愚痴でした。
それでは!!