最近の就活生はとてもかわいそうな状況にあると思います。
嘘をついてまで就職をしなければならないのかと。
あれこれでっち上げて大企業に就職する必要があるのかと。
大企業に限った話ではないことはわかりますが、競争が激しい=嘘をついている人数も多いだろうということで、大企業を前提にお話を進めたいと思います。
競争が激しくないところで、嘘をつく人はそういないでしょうから。
大企業はマジで凄い
私は客先常駐のプログラマなので、一流企業に何度か出向したことがあります。
だから大企業が凄いことを知っています。
まず身に付けているスーツや装飾品が違う。
私が2000円(さらに20%引)で購入したパンプスを履いてるときに、周りの女性社員はお、おいくらですか??みたいなパンプスを履いて出勤していましたし、男性社員のスーツも一着数万円はくだらないようなものばかりでした。
全員が全員そうではありませんでしたが、やはり身に付けている衣服や鞄からランクの違いを感じ、自分の身なりがとても恥ずかしくなり、かといって同じ水準の物を買う余裕などあるはずもないので、早く契約期間よ終われ~と胃がシクシクする思いで通勤していたのを覚えています。
デスク一つとっても、休憩室一つとっても、福利厚生に関してもこんなに待遇がいいのかと驚き、こりゃあみんな入りたがるわ~と思ったものです。
でも特段羨ましくはありませんでした。
高収入やいい服やいい設備は羨ましいですよ!心から!
そうではなく、大企業の社員になることに関しては羨ましいとは思いませんでした。
どころか、こんなに人がいっぱいいる中で働かないといけないとか嫌だなぁと思っていました。
企業に依るかもしれませんが、細かい招集や飲み会も多いですしね。
正直、大卒ってだけで羨ましい
私は家庭の事情により高卒で、色々あって現在無職です。
就職先も事情があり選べませんでした。
だから、大卒の新卒カードを切れるというだけでとても羨ましいのです。
大企業だろうと中小企業だろうと、高卒というだけで弾かれることはままあります。
中途採用においては学歴不問のところもありますが、新卒と中途じゃ基本給や扱いに差があるので、自分たちで買値を設定できる中途採用において、使える人材なら学歴はそこまで重要ではないのかもしれません。
仕事をせず、自分の思い通りにならなければ頭ごなしで怒鳴り散らす新卒で3年目の彼を、何とか支えている私が、彼より5万も10万も少ない賃金で働いていたとしても、恨むべくは彼でも会社でもなく、大卒の新卒カードを切ることが出来なかった、高卒に甘んじてしまった私と私を取り巻く環境なのです。
だからこそ、大企業にこだわらずとも私が取れなかったチケットを取れる人たちが、私より何倍も生きやすい人たちが大企業を妄信し、そこに自分の人生をかけ、思い通りの結果が得られなかった瞬間に絶望するのが不思議でなりません。
最近の就活関連のニュースや記事を読んでいると、まるで、新卒カードという一度きりの切り札をいかに使ってランクの高い会社に入れるかが一種のステータスであり、同期を出し抜いたという戦績が今後の人生における何よりの誇りになってしまっているかのように感じられます。
だから嘘をついてまで就職したい人が多いのでしょう。
これでは就職活動というより大学入試のようです。
入った先の人生より、入ること自体が目的のような錯覚を覚えます。
確かに大企業に就職すれば人生イージーモードで生きていくことが出来ると思います。
でも中小企業でコツコツと働いてお給料を上げていくことだって立派なことだと思います。
大きな会社に就職し、沢山働いて沢山のお金を稼ぐことは凄いことだと思いますが、そこそこ働いてつつましく生きることも同じくらい素敵なことです。
嘘をついてまで就職したいのかでなく、嘘を『つかせてまで』採用したいのかに着目したほうがいいと思う
この疑問を解消しようと調べているときに、『就活落ちた日本死ね』というページを見つけました。
発言全てに賛同はできかねましたが、この方が苦しんでいる状況には同情しました。
そして発言の中に、
企業はルール守らねえし、学生は面接で嘘つきまくり。
就活=嘘つき合戦 こんなことやってる国が経済発展なんて無理でしょ。
という記述がありました。
渦中にいる方から見ても、現在の就活は嘘つき合戦に見えているのでしょう。
あくまで想像ですが、この方はきっと、コミュニケーションが苦手だったのかもしれません。
だから勉強に己の価値を設定し、活路を見出すために勉強していい大学に入学したのかもしれません。
でも自分の望むスペースには結局コミュ力高めのリア充が収まるようになっていて、今までの自分が否定されたかのように感じたのではないでしょうか。
この方は、今までの努力より、その場しのぎの嘘をついた人間が得をするという状況に絶望したのだと思います。
嫌な見方をすれば、言ったもん勝ちですし、だましたもん勝ちです。
それを非とするならば、実績を裏付ける証拠を要求するでしょうが、それをしないということは是とみなされても致し方のないことでしょう。
そしていい大学を出たという発言から、それなりの企業を志望していたのだと思います。
だとすると、自分の希望していたレベルの企業も『その程度』だと思い、二重でショックを受けた可能性もあります。
この件を問題にする場合、嘘をついた学生ではなく、嘘をついた学生を採用した企業側に責任があったといってよいと思います。
結局嘘をついてまでその企業に就職したいのか
責任という書き方をしましたが、これは問題という意味ではありません。
誰かを悪者にしなければならない場合に、責任の所在はどこにするかという話です。
となれば、当然選択する側に責任が生じるでしょうから、責任は企業側にあります。
ただ、企業規模を問わず、嘘をついてまで採用されたがる気概を持った学生を望んだことに対しては誰が責めることでもないでしょう。
悔しい話になるかもしれませんが、土壇場で自分をアピールできる度胸を持った人材が欲しかったので採った、ということは悪いことでもなんでもありません。
それはその企業の方針だからです。
本当にそこに就職したかったのなら、嘘をついてでも自己アピールに長けた人材を欲している企業であることを理解し、そういう努力をしなければならなかったのです。
それが出来ないというのであれば、今まで積み上げてきた努力を強みに出来る、その部分を酌んでくれる企業を選択しなければならなかっただけです。
今回のまとめ
私は先に申し上げた通り高卒ですが、転職歴が多いので、面接なら結構受けました。
圧迫面接的なものとか、単純な興味本位の呼び出しで散々バカにされて終わったこともありました。
でも生きてます。
自分の希望が通らなくてふてくされた中で出会った素敵な事柄もたくさんあります。
だから面接が通らなくても大丈夫です。
大した問題ではありません。
何より死ぬわけではありません。
たまたま否定的な人にあっただけで、あなたの価値は別にあります。
それを理解したうえで、自分を評価してくれそうな企業を見つけて頑張ってください。
皆さんの苦しみは想像に難くないですが、それらは全て、私が経験できなかったものです。
だからこそ応援したいと思っています。
そしてこんな就職状況だからこそ、嘘をついてまでそこに入りたいかどうか沢山考えてください。
上から目線で失礼しましたが、高卒だから見えることもあるんじゃないかと言葉にしました。
ここまで読んでくれた方はありがとうございました。
それでは!

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